更新日:2025年3月10日
市民税・県民税は「均等割」と「所得割」から構成されます。
「均等割」…一定の所得のある方に4,000円が課税されます。
「所得割」…所得の多さに応じて課税されます。
所得割の計算をするうえでの基礎となるものは所得金額です。
税額計算の流れ
市民税・県民税の税額は次の流れで計算されます。
注:分離課税の所得がある場合は計算方法が異なります。
- 収入から所得を求めます
- 所得控除の合計を算出します
- 所得から所得控除の合計を差し引いて課税標準額を算出します
- 課税標準額に税率をかけます
- 所得割から税額控除、配当割・株式等譲渡所得割を差し引きます
- 所得割と均等割を合算します(さらに森林環境税を合計してその年度の年税額を算出します)
1.収入から所得を求めます
所得は収入から必要経費を差し引いて計算されます。
注:扶養家族がいる場合等、一定の条件によっては所得控除額にかかわらず市民税・県民税がかからない場合があります。(「市民税・県民税・森林環境税について」の「市民税・県民税・森林環境税がかからない人」を参照)
所得の種類は下表の10種類に区分されます。
所得の種類 | 所得金額の算出方法 | |
---|---|---|
給与所得 | 給料、賃金、賞与など | 表1【給与所得の求め方】参照 |
雑所得 | 公的年金等の所得 公的年金等とは、国民年金、厚生年金、恩給等をいいます。 なお障害年金や遺族年金は非課税扱いとなり、所得には含めません。 |
表2【公的年金等に係る雑所得の求め方】参照 |
生命保険契約等に基づく年金、副業的な原稿料、講演料など、他にあてはまらない所得 | 収入金額-必要経費 | |
不動産所得 | 地代、家賃、権利金など | 収入金額-必要経費 |
事業所得 | 小売業、農業、サービス業、医師、外交員報酬などから生じる所得 | 収入金額-必要経費 |
配当所得 | 株式や出資の配当など | 収入金額-株式などの元本取得のために要した負債の利子 |
一時所得 | クイズの賞金、競馬の払戻金、生命保険の一時金や損害保険の満期返戻金など | 収入金額-その収入を得るために支出した金額-特別控除額(最高50万円) 課税の対象は、一時所得の2分の1です。 |
利子所得 | 公債、社債などの利子 | 収入金額=所得金額 |
譲渡所得 | 土地、家屋、機械、ゴルフ会員権などの資産を売った場合 | 収入金額-(取得費+譲渡費用)-特別控除額 |
山林所得 | 山林の伐採又は譲渡による所得 | 収入金額-必要経費-特別控除額 |
退職所得 | 退職金など | (収入金額-退職所得控除額)×2分の1 |
表1【給与所得の求め方】(令和3年度以降)
給与収入額(A) | 所得金額 |
---|---|
1円から55万999円 | 0円 |
55万1,000円から161万8,999円 | (A)-55万円 |
161万9,000円から161万9,999円 | 106万9,000円 |
162万円から162万1,999円 | 107万円 |
162万2,000円から162万3,999円 | 107万2,000円 |
162万4,000円から162万7,999円 | 107万4,000円 |
162万8,000円から179万9,999円 | (A)÷4,000(小数点以下切り捨て)×4,000×60%+10万円 |
180万円から359万9,999円 | (A)÷4,000(小数点以下切り捨て)×4,000×70%-8万円 |
360万円から659万9,999円 | (A)÷4,000(小数点以下切り捨て)×4,000×80%-44万円 |
660万円から849万9,999円 | (A)×90%-110万円 |
850万円から | (A)-195万円 |
注:上表は特定支出の控除の特例を受ける場合を除きます。
(例)給与収入5,124,569円の場合
5,124,569÷4,000=1,281.14 小数点以下切り捨て
=1,281
1,281×4,000=5,124,000
5,124,000×80%=4,099,200
4,099,200-440,000=3,659,200
3,659,200円が給与所得となります。
表2【公的年金等に係る雑所得の求め方】(令和3年度以降)
受給者の年齢 | 収入金額(B) | 【公的年金等雑所得以外の所得に係る合計所得金額】 | ||
---|---|---|---|---|
1,000万円以下 | 1,000万円超2,000万円以下 | 2,000万円超 | ||
65歳以上 | 330万円未満 | (B)-110万円 | (B)-100万円 | (B)-90万円 |
330万円以上410万円未満 | (B)×75%-27万5,000円 | (B)×75%-17万5,000円 | (B)×75%-7万5,000円 | |
410万円以上770万円未満 | (B)×85%-68万5,000円 | (B)×85%-58万5,000円 | (B)×85%-48万5,000円 | |
770万円以上1,000万円未満 | (B)×95%-145万5,000円 | (B)×95%-135万5,000円 | (B)×95%-125万5,000円 | |
1,000万円以上 | (B)-195万5,000円 | (B)-185万5,000円 | (B)-175万5,000円 | |
65歳未満 | 130万円未満 | (B)-60万円 | (B)-50万円 | (B)-40万円 |
130万円以上410万円未満 | (B)×75%-27万5,000円 | (B)×75%-17万5,000円 | (B)×75%-7万5,000円 | |
410万円以上770万円未満 | (B)×85%-68万5,000円 | (B)×85%-58万5,000円 | (B)×85%-48万5,000円 | |
770万円以上1,000万円未満 | (B)×95%-145万5,000円 | (B)×95%-135万5,000円 | (B)×95%-125万5,000円 | |
1,000万円以上 | (B)-195万5,000円 | (B)-185万5,000円 | (B)-175万5,000円 |
(例)65歳以上で公的年金収入2,345,678円の場合
2,345,678-1,100,000=1,245,678
1,245,678円が雑所得になります。
2.所得控除の合計を算出します
基礎控除や扶養控除、支払った社会保険料など、所得から控除される金額で12種類あります。控除の種類と控除額はこちらを参照してください。
3.所得から所得控除の合計を差し引いて課税標準額を算出します
1で求めた所得の合計から2で求めた所得控除の合計を差し引いて課税標準額を算出します。(1,000円未満切り捨て)4.課税標準額に税率をかけます
3で求めた課税標準額にそれぞれ税率をかけて所得割を求めます。市民税と県民税に分けて計算します。
所得割の税率(一律10%) | ||
内訳 | 市民税 | 6% |
県民税 | 4% |
5.所得割から税額控除、配当割・株式等譲渡所得割を差し引きます
4で算出した所得割額から税額控除、配当割・株式等譲渡所得割を差し引いて100円未満を切り捨てます。税額控除の種類と控除額の算出方法はこちらを参照してください。
配当割・株式等譲渡所得割はこちらを参照してください。
6.所得割と均等割を合算します
5で算出した所得割に均等割を合算した金額が市民税・県民税です。
均等割の金額(一律) | |
市民税 | 3,000円 |
県民税 | 1,000円 |
注:令和5年度以前の均等割 市民税3,500円県民税1,500円合計5,000円
令和6年度以降は市民税・県民税に国税の森林環境税(一律1,000円)を合計した金額がその年度の年税額となります。
市民税・県民税の具体的な計算方法
こちらでは、A家を例に具体的な市民税・県民税の計算方法を見ていきましょう。
A家の状況は以下のとおりとし、夫の市民税・県民税を計算していきます。
収入
- 夫48歳 前年給与収入543万円
- 妻45歳 前年給与収入80万円(パート)
- 子20歳 収入なし(学生)
- 子17歳 収入なし(学生)
所得控除
- 社会保険料:55万円
- 一般生命保険料支払額(新契約):3万円
- 一般生命保険料支払額(旧契約):3万円
- 介護医療保険料支払額:4万円
- 個人年金保険料支払額(旧契約):7万円
- 地震保険料支払額:2万円
- 配偶者控除:33万円
- 扶養控除(一般扶養):33万円、(特定扶養):45万円
- 基礎控除:43万円
1.収入から所得を求めます
A家の夫の給与収入から給与所得を計算します。注:表1【給与所得の求め方】を参照
給与収入543万円÷4,000(小数点以下切り捨て)×4,000×80%-44万円=390万2,400円
2.所得控除の合計を算出します
A家の夫の各控除額は以下のとおりです。
各種控除の種類と控除額はこちらを参照してください。
種類 | 支払額 | 控除額 | 計算方法 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
社会保険料 | 55万円 | 55万円 | 支払額の全額 | ||||
生命 保険料 |
一般生命保険料 | 新契約 | 3万円 | 2万1,000円 | 一般生命保険料の控除額 2万1,000円+2万2,500円=4万3,500円(限度額超過) よって2万8,000円(限度額) |
生命保険料控除の控除額 一般生命保険料2万8,000円+介護医療保険料2万4,000円+個人年金保険料3万5,000円=8万7,000円(限度額超過) よって7万円(限度額) |
3万円×2分の1+6,000円=2万1,000円 |
旧契約 | 3万円 | 2万2,500円 | 3万円×2分の1+7,500円=2万2,500円 | ||||
介護医療保険料 | 4万円 | 2万4,000円 | (新契約の計算式を使用) 4万円×4分の1+1万4,000円=2万4,000円 |
||||
個人年金保険料 | 新契約 | 支払いなし | - | 個人年金保険料の控除額 0円+3万5,000円=3万5,000円 |
- | ||
旧契約 | 7万円 | 3万5,000円 | 7万円×4分の1+1万7,500円=3万5,000円 | ||||
地震保険料 | 2万円 | 1万円 | 支払額×2分の1 | ||||
配偶者控除 | - | 33万円 | - | ||||
扶養控除 | 一般扶養 | - | 33万円 | - | |||
特定扶養 | - | 45万円 | - | ||||
基礎控除 | - | 43万円 | - | ||||
合計 | 217万円 |
3.所得から所得控除の合計を差し引いて課税標準額を算出します
1で求めた所得から2の所得控除の合計を差し引きます。
390万2,400円-217万円=173万2,000円... 課税標準額(1,000円未満切り捨て)
4.課税標準額に税率をかけます
3で求めた課税標準額に市民税と県民税に分けて税率をかけます。
税率:一律10%(市民税6%・県民税4%)
173万2,000円×6%=10万3,920円...市民税税額控除前所得割額
173万2,000円×4%=6万9,280円...県民税税額控除前所得割額
5.所得割から税額控除、配当割・株式等譲渡所得割を差し引きます
税額控除、配当割・株式等譲渡所得割のうち、A家は調整控除のみ該当します。
税額控除の種類と控除額の算出方法はこちらを参照してください。
配当割額・株式等譲渡割額はこちらを参照してください。
調整控除の金額を求めます
A家の夫の人的控除の差の合計額を求めます
人的控除の差 5万円(配偶者控除)+5万円(扶養控除一般)+18万円(扶養控除特定)+5万円(基礎控除)=33万円 (合計額)
調整控除の計算
3で求めた課税標準額が200万円以下のため(1)と(2)のいずれか小さい額を選択します。
(1)課税標準:173万2,000円
(2)人的控除の差の合計:33万円
小さい額に5%(市民税3%・県民税2%)をかけます。
市民税と県民税に分けて計算します。
33万円×3%=9,900円...市民税調整控除
33万円×2%=6,600円...県民税調整控除
所得割から調整控除を差し引きます
4で求めた所得割額から調整控除額を差し引き、100円未満を切り捨てます。
市民税と県民税に分けて計算したものを合算します。
<A家の夫の市民税・県民税の所得割額>
市民税10万3,920円-9,900円=9万4,000円
県民税6万9,280円-6,600円=6万2,600円
9万4,000円+6万2,600円=15万6,600円...市民税・県民税所得割額
6.所得割と均等割を合算します
市民税・県民税は、市民税・県民税均等割額と市民税・県民税所得割額とで構成されるため、最後に二つを足し合わせます。
市民税3,000円県民税1,000円合計4,000円...均等割額 注:均等割額は一律です。
<A家の夫の市民税・県民税>
15万6,600円+4,000円=16万600円
市民税・県民税に国税の森林環境税(一律1,000円)を合計した金額がその年度の年税額です。
16万600円+1,000円=16万1,600円
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