更新日:2026年6月1日
歴史民俗資料館の建物は、今から100年前の大正15年(1926年) に建てられた草加小学校西校舎を活用しています。
まだ木造校舎が当たり前だった時代。子どもたちの安全を願い、草加町の人々の寄付によって、埼玉県で初めて鉄筋コンクリートで建てられた校舎は、耐震耐火に優れているだけではなく、山型の屋根と左右対称のおしゃれなデザインを備えていました。最先端の機能とデザインは、当時の子どもたちにとって自慢の学び舎だったことでしょう。
歴史民俗資料館になってからも特徴的なデザインは引き継がれ、現在は国登録有形文化財(建造物)として、草加市を 代表する文化財の一つになっています。
100周年を記念して、本ページでは西校舎や歴史民俗資料館を写した写真から学び舎の歴史を振り返ります。
建設中の草加小学校西校舎(1926年)

建設工事が進む草加小学校西校舎を校庭側から撮影した写真です。
大正14年(1925年)3月に発生した火災により、草加小学校は6教室が全焼、3教室が半焼する被害に見舞われました。教室を失った児童の学校生活に大きな支障をきたしたため、耐震耐火に優れた鉄筋コンクリー ト造りによる校舎の再建計画が企図されました。
当初、木造校舎と比較して倍以上の建設費用を要する再建計画に対し、校舎建設の認可を所管していた埼玉県は難色を示したそうですが、子どもの安全を願って多額の寄附を申し出た草加町の人々の尽力もあり、校舎建設が認められました。 なお、校舎の設計は、草加小学校卒業生である建築家の大川勇(おおかわいさむ)が手がけました。
竣工直後の草加小学校西校舎(1926年)

校庭側から見た西校舎

校庭に集合した児童の後ろに見える西校舎
記念絵葉書用に撮影された写真です。 大正15年(1926年)9月、埼玉県下初となる鉄筋コンクリート造りの近代的校舎が草加の地に姿を現しました。特徴的な山形屋根を中心に据えた左右対称デザインの2階建て校舎は6教室のほか、屋上も設けられました。 竣工当時、まだ珍しかった鉄筋コンクリート造りの校舎を一目見ようと、県内外から多くの方が見学に訪れたそうです。
戦時中の草加小学校西校舎(1938年)

昭和13年(1938年)、天皇・皇后両陛下の公式肖像写真である御真影と教育勅語謄本を保管するための倉庫として奉安殿が、校庭に面した西校舎前に建設されました。奉安殿は学校施設の中で最も神聖な場所とされ、児童は登下校の際に最敬礼することが要請され、慣行化されていきました。
西校舎での授業風景(1965年)

西校舎の教室で、児童を優しく見つめながら話す先生と子どもたちを撮影した写真です。
2年生と思われる教室には、黒板の周りに日本地図や校歌の歌詞、子どもたちが制作したであろう工作が飾られ、真ん中には一際目立つ「げんきな子」の文字。 今にも、子どもたちの元気な声が聞こえてきそうな、学校生活の日常が写っています。
草加小学校開校100年(1972年)

『草加小学校開校百年記念誌』に掲載された草加小学校を撮影したカラー写真です。
昭和40年代を迎えると、西校舎に併設されていた木造校舎も鉄筋コンクリート造り3階建ての校舎に建て替えられ、児童の学習環境は大きく充実していきました。 校舎建て替えと比例して、老朽化が目立つようになってきた西校舎では、2年生の教室として使用していましたが、次第に音楽室や家庭科室、資料室など、特別教室として使用されることが増えていきました。
歴史民俗資料館の開館(1983年)


開館した頃の歴史民俗資料館を撮影した写真です。
昭和55年(1980年)、建てられてから50年以上の歳月を重ねた西校舎は、校舎としての役目を終えました。老朽化の著しかった西校舎ですが、鉄筋コンクリート造りの校舎として埼玉県で一番古く由緒ある建物を惜しむ声もあり、草加の歴史や文化を伝える施設として活用していくことになりました。
昭和58年(1983年)11月、設備改修を終えた西校舎は歴史民俗資料館として開館しました。
当時の歴史民俗資料館では、変貌著しい都市化の中で急速に変わりつつあった伝統的な生活様式や風俗習慣を伝えるため、民俗芸能や農機具、草加せんべいの製造道具といった民俗資料を中心に展示していました。
多彩な企画展の開催(1983年~)
歴史民俗資料館では、開館以来、草加の歴史や文化を伝える多彩な企画展を開催しています。
初めての企画展は「第8回文化財展」で、草加の火消しをテーマに竜吐水(りゅうどすい)や纏(まとい)など、江戸時代の火消しにまつわる資料を展示しました(第7回までは公民館などで開催していました)。
その後は、昭和59年(1984年)の開館一周年記念展「荒川の漁具ーふるさとのかわ・くらし」など、年に1・2回、収蔵資料や研究成果を紹介する様々な企画展を開催し、多くの方にご来館いただいてきました。
なお、現在は季節ごとの企画展(年4回)を初め、歴史講座や体験教室、古文書講座、蓄音機コンサートなど、多彩な事業を開催しています。

開館一周年記念展「荒川の漁具ーふるさとのかわ・くらし」(1984年)

企画展「荒川・綾瀬川の写真」(1985年)

企画展「谷塚町西・東地総田遺物展ー草加にもあった古代遺跡」(1987年)

市制40周年記念展「懐かしい時代へタイムスリップー昭和30年台の風景ー」(1998年)
国登録有形文化財(建造物)への登録(2008年)

平成20年(2008年)10月、歴史民俗資料館の建物は、鉄筋コンクリート造り建造物の黎明期における芸術性の高さがうかがえるデザインが「造形の規範となっている」と評価され、草加市で初となる国の登録有形文化財(建造物)に登録されました。 翌21年(2009年)4月には、館庭に国登録有形文化財を示すプレートを配した記念碑の設置を祝う除幕式典が催されました。
歴史民俗資料館の来館者30万人達成(2019年)

令和元年(2019年)11月、歴史民俗資料館の来館者数が30万人を達成したときに撮影した写真です。
当日は、社会科見学で訪れていた八幡北小学校3年生と展示見学に訪れていた市民の方が、達成を祝してくす玉を割り、市長からお祝いの言葉と達成証を授与していただきました。
開館した頃は年間6千人程度だった来館者も、国登録有形文化財(建造物)に登録された頃から年間1万5千人を超えるようになりました。
この翌年以降、新型コロナウイルスの流行により、来館者数は減ってしまいましたが、近年は少しずつコロナ前の来館者数に戻りつつあります。
100年目を迎える学び舎(2026年)

社会科見学で歴史民俗資料館を訪れた児童たちに、館長自ら農機具の使い方を教えている様子を撮影した写真です。 歴史民俗資料館では、毎年、市内小学校3年生の社会科見学を受け入れています。児童は、館内の展示資料を見たり触れたりして、昔の暮らしの知恵やまちの移り変わりを学習するとともに、草加小学校西校舎から歴史民俗資料館へと変わっていった建物の歴史も学習します。
100年前に建てられた学び舎は、100年の歴史を重ねた現在も草加の子どもたちに学び舎として親しまれています。
歴史民俗資料館に行ってみよう!
校舎から資料館へと姿を変えながら、100年の歴史を重ねてきた旧草加小学校西校舎。100周年を迎える令和8年は、歴史民俗資料館で記念企画展を始めとする様々なイベントを開催します。
企画展を見学したりイベントに参加して、一緒に100周年をお祝いしましょう!
みなさんのご来館をお待ちしています!!
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