随時監査の結果

随時監査について

随時監査は、市の財務に関する事務の執行、経営に係る事業の管理が、法令等の規定に基づき適正かつ効率的に処理されているかという観点を主眼に実施する監査です。今回の監査は、平成26年度定例監査において、事務の一部に改善を要する事項を発見したことにより、実施したものです。

平成27年度は、全部局を対象に監査を実施し、その結果がまとまりましたので、草加市議会議長及び草加市長並びに関係のある委員会へ次のとおり報告しました。

なお、過去の監査結果を含めた詳細については、下段の関連ファイルから閲覧できます。

平成27年度随時監査（契約に関する事務）の結果について

普通地方公共団体における契約の締結については、地方自治法及び地方公営企業 法の規定により一般競争入札が原則とされています。これは、不特定多数の者に競争を行わせることにより、公正性と機会均等性の確保を図るためであります。
一方、地方自治法施行令に定めた内容に該当する契約については、指名競争入札、随意契約またはせり売りの方法によることができるとされており、中でも、随意契約は任意に特定の相手方を選択する方法であり、手続の簡略化及び経費削減等の長所があります。さらに、特命による随意契約については、草加市契約規則、草加市水道事業契約規程及び草加市病院事業契約規程により、限られた場合に一者のみから見積書を徴するものであり、事務の効率化にも寄与するものです。
しかし、随意契約は時として契約の相手方が固定化され、不利な価格での契約締結に至る恐れがあり、中でも、特命による随意契約は例外的なものであることから、 事務手続における透明性の確保がより重要となります。
今回の随時監査は、平成26年度の定例監査において、事務の一部に改善を要する事項が見られたことに伴い、特命による随意契約について、全部局を対象として実施したものです。
具体的には、平成27年1月1日から平成27年3月31日までに各課で締結した特命による随意契約のうち、契約金額が50,000円以上のものを対象とし、 契約に関する事務の執行について監査を実施したところ、概ね適正に執行されていると認められました。
今回の監査により、市の執行機関では、統一的に事務処理を行うことができるように作成されたマニュアルやこれまでの前例を参考にし、効率性を追求しつつ適正な事務手続の執行に努めていることを確認しました。

今回の監査では、本来であれば記載すべきものが記載されていない事案や、事務手続において適当でない事案が見受けられました。
全ての行政執行には公費の支出を伴い、決裁文書等の公文書は情報公開の対象となることから、適正かつ説明責任を充分に果たせる手続が求められています。
行政の役割が拡大する中で業務の多様化が進んでおり、多くの職員が契約に関する事務に携わると思われます。今回の監査では、統一的な事務処理を行っていない事案も見受けられましたので、今後はマニュアルの活用はもとより、職員研修を実施するなど、事務処理方法について一定程度統一的な進め方となるよう努めてください。また、その他の事務の執行についても現行の手続等を見直すことにより、事務の改善に繋がることを望みます。
一方で、事務の迅速化が求められるのは言うまでもありませんが、手続上の誤りを無くすためにも、回議欄に押印する職員は記載すべき文書内容を見過ごすこと無く、さらに文書審査に携わる職員も含めて、それぞれの立場にいる職員が自らの役割に従い適切に内容を確認していく必要があります。今後は、職員一人当たりの事務処理量が多くなることが予想されることから、これまで以上に組織内におけるチェック体制が強化されることを望みます。
今回の監査結果を踏まえて、事務手続における透明性の向上を図り、状況に応じて適切な契約締結の方法を選択することにより、公正で効率的な行政運営を進め、市民からの信頼をさらに高められることを期待します。