監査委員の行う各種監査等とその内容

監査委員の行う監査は、次の5つに分類することができます。

1. 定期的に行う監査
2. 必要があると認められるときに行う監査
3. 要求または請求に基づく監査
4. 監査結果報告について
5. 監査等の結果報告後の措置公表について

各種監査の内容については、次のとおりです。

監査委員の行う各種監査等とその内容

定期的に行う監査

1. 定例監査（地方自治法第199条第4項）
   市の財務事務の執行、公営企業等の事業の管理に関し、予算の執行、工事の施行等が適正かつ効率的に行われているかについて、事務監査と工事監査に分け、毎年度監査計画を定めて定期的に監査するものです。
2. 例月出納検査（地方自治法第235条の2第1項）
   市（会計管理者等現金出納機関）の現金の出納について、毎月、例日を定めて計数を確認し、その保管状況を検査するものです。
3. 決算審査（地方自治法第233条第2項及び地方公営企業法第30条第2項）
   市長から審査に付された決算書、その他関係諸表等に基づいて計数を確認し、予算の執行と会計処理が適正で効率的に行われているかを審査するものです。
4. 基金運用状況の審査（地方自治法第241条第5項）
   特定の目的のために定額の資金を運用している基金が、その目的にそって確実かつ効率的に運用されているかについて審査するものです。
5. 財政健全化審査（財政健全化法第3条第1項及び第22条第1項）
   健全化判断比率（実質赤字比率、連結実質赤字比率、実質公債費比率、将来負担比率）及び資金不足比率とその基礎となる計数が適正かどうかを審査するものです。

必要があると認められるとき行う監査

1. 行政監査（地方自治法第199条第2項）
   市の行政全般について、その事務の執行が、公正と能率が確保されるよう行われているか、また、組織が合理性のあるものとなっているか等を監査するものです。
2. 随時監査（地方自治法第199条第5項）
   監査委員が必要があると認めるときに随時に行う財務に関する事務の執行及び経営に係る事業の管理を監査するものです。
3. 財政援助団体等監査（地方自治法第199条第7項）
   市が財政的援助を与えている団体、出資・支払保証団体、信託の受託者及び公の施設の指定管理者について、監査委員が必要と認めるとき、または市長の要求があったときに行う監査です。
4. 金融機関の公金出納監査（地方自治法第235条の2第2項）
   監査委員が必要があると認めるとき、または市長の要求があるときに行う指定金融機関及び出納取扱金融機関の公金の出納事務を監査するものです。

要求または請求に基づく監査

1. 直接請求（地方自治法第75条）
   選挙権を有する者の1/50以上の請求に基づき、事務の執行に関し行う監査です。
2. 議会請求監査（地方自治法第98条第2項）
   市議会の請求に基づき、市の事務の執行に関し行う監査です。
3. 要求監査（地方自治法第199条第6項）
   市長の要求に基づき、市の事務の執行に関し行う監査です。
4. 住民監査請求の監査（地方自治法第242条）
   市民が市の職員等による違法または不当な財務会計上の行為または怠る事実があると認めるとき、監査委員に監査を求め、必要な措置を請求する制度です。監査委員は、その請求に基づき監査を行い、その結果を公表し、請求に理由があると認めるときは、必要な措置を講ずるよう勧告することができます。
5. 賠償責任監査（地方自治法第243条の2第3項）
   市長からの要求に基づき、職員が市に損害を与えた事実があるかどうかを監査し、職員の賠償責任の有無及び賠償額の決定を行うものです。

監査結果報告

1. 決定及び意見（地方自治法第199条第11項）
   監査結果に関する報告の決定または意見は、監査委員の合議によるものとされています。
2. 公表（地方自治法第199条第9項）
   監査委員は監査に関する報告を決定し、これを普通地方公共団体の議会及び長、教育委員会等に提出し、かつ、これを公表しなければならない。

監査等の結果報告後の措置公表

監査等の結果報告後の措置（地方自治法第199条第12項）

監査結果に関する報告の提出を受けた地方公共団体の議会、長、教育委員会等は、措置を講じたときは、その旨を監査委員に通知するものとされています。
この場合、監査委員は、当該通知に係る事項を公表しなければならないとされています。