更新日:2023年7月1日
近世初頭、江戸(えど)と奥州各地とをつなぐ街道は、千住(せんじゅ)から八条(はちじょう)・越ヶ谷(こしがや)へと大きく迂回をしていましたが、やがて幕府は千住・越ヶ谷間を最短で結ぶ新道を整備し、その中間に近隣の村々からなる新しい宿駅(しゅくえき)の設置を命じました。草加宿の始まりです。
また、このとき整備された街道が、日光道中(にっこうどうちゅう)で、やがて寛永7年(1630年)、幕府の公認を受け正式に伝馬宿(てんましゅく)と認められた草加宿は、その後、参勤交代(さんきんこうたい)や日光社参、さらには一般旅人の往来もあって、大きな賑わいをみせるようになりました。
元禄2年(1689年)には松尾芭蕉(まつおばしょう)が『おくのほそ道』の旅で草加宿に歩みを残したのを始め、伊能忠敬(いのうただたか)や渡辺崋山(わたなべかざん)など多くの文人(ぶんじん)の通行によって、「街道文化」ともいえる独特な文化を創り出していきました。
また、綾瀬川・中川などの河川は、周辺の村々で生産された農産物を江戸に運ぶことにも活用され、荷積み・荷揚げに用いられた河岸(かし)も大層な賑わいを見せるようになっていきました。
草加宿は、地域の政治・経済・文化の中心として、近隣の村々に大きな影響を与えていたのです。
草加宿の北端に続く街道沿いには松が植樹され、それはやがて街道を行き交う旅人に草加松原(そうかまつばら)として、広く知られるようになりました。
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