更新日:2024年2月29日
企業版リノベーションスクール@そうか
「企業版リノベーションスクール@そうか」は、そうかリノベーションまちづくりにおける新たな取組みの一つです。参加する企業同士がオープンイノベーションの観点を持ちながら連携し、既存事業の再構築や新規事業の創出を図りながら、地域経営課題の解決を目指す事業を検討する「スクール型実践プログラム」です。
全6回のプログラムを通じて、ゲスト講師によるアドバイスを受けたり、企業同士で有機的に連携し合いながら、地域経営課題の解決に直結する事業を検討します。プログラムの最終回には「公開プレゼンテーション」を実施し、検討した事業の提案を行います。提案して終わりではなく、参加企業は提案した事業の実現に向けて、さらに企業同士の連携を深めながら、責任を持って事業化まで臨みます。
なぜ企業版リノベーションスクールが始まったのか
草加市では平成27年度(2015年度)より、そうかリノベーションまちづくりの取組みを推進し、「顔の見える経済循環の実現」を目指しています。「顔の見える経済循環」とは、地域密着型ビジネスの創出を図り、まちの中で「顔の見える関係性」を育んでいきながら、域内経済循環の活性化を目指していくことを指します。実現に向けた柱のプロジェクトとして、平成28年度(2016年度)から「リノベーションスクール」を開催し、これまで10のコンテンツ、波及効果も含めると28のコンテンツが市内に誕生し、「顔の見える経済循環」のハブとなっています。
リノベーションスクール以外にも「まちの学校」や「マーケットの学校inそうか」、「わたしたちの月3万円ビジネスin草加」といったプロジェクトを実施し、様々な立場から、まちとの関わりしろが持てる取組みを実践しています。そうした中、新たな関わりしろの一つとして、「企業」がまちに関わり、本業を地域貢献と直接繋げることで、企業自体の価値を高め、さらに「顔の見える経済循環の実現」を加速させていくことを目的とする「企業版リノベーションスクール@そうか」を令和5年度(2023年度)より実施することとなりました。
そうかリノベーションまちづくりが目指す「顔の見える経済循環」
プログラム概要
全6回のプログラムでは、普段接することの少ない異業種の企業との交流の機会や、まちあるきをしながら草加のまちの課題と企業の課題を結び付ける機会、検討する提案内容のブラッシュアップをゲスト講師や参加企業同士で行う機会がありました。
プログラム | 日程 | 内容 |
---|---|---|
第1回 | 令和5年7月26日(水曜日) | ・ガイダンス ・自社紹介プレゼンテーション ・ショートレクチャー(株式会社アフタヌーンソサエティ 代表取締役 清水 義次 氏) ・交流会 |
第2回 | 令和5年8月23日(水曜日) | ・まちあるき ・ラウンドトーク(意見交換) |
第3回 | 令和5年9月22日(金曜日) | ・ショートレクチャー(つなぐば家守舎株式会社 代表取締役 小島 直 氏) ・事業プランプレゼンテーション ・グループワーク ・フィードバック |
第4回 | 令和5年10月18日(水曜日) | ・ショートレクチャー(株式会社エネルギーまちづくり社 代表取締役 竹内 昌義 氏) ・ラウンドトーク(テーマ:断熱改修) ・事業プランプレゼンテーション ・フィードバック |
第5回 | 令和5年11月21日(火曜日) | ・事業プランプレゼンテーション ・フィードバック |
第6回 | 令和6年1月11日(木曜日) | ・公開プレゼンテーション ・ポスターセッション |
参加企業
令和5年度の企業版リノベーションスクールでは、市内外から13の企業が参加しました。
企業名 | 所在地 | 業種 |
---|---|---|
有限会社高橋園芸センター | 草加市原町3-10-11 | 造園業、装飾業 |
株式会社一福本店 | 草加市青柳2-16-18 | 草加せんべいの製造販売 |
有限会社スズキ | 草加市遊馬町786-4 | 溶接板金加工業 |
株式会社高中板金工業 | 草加市長栄4-12-2 | 建築板金業、銅板工芸品製作、遮熱事業 |
合同会社そうか家守舎 | 草加市住吉1-6-10 | 音楽教室、飲食店、学習塾の運営 |
株式会社千葉工務店 | 越谷市大成町6-237 | 木造住宅の新築及びリフォーム |
ノエビア埼玉東販売株式会社 サロンドール | 草加市氷川町2152-25 | 化粧品等卸小売業、エステ事業 |
TDS株式会社 | さいたま市岩槻区本町3-12-11 | ベーグル製造販売、商業系不動産コンサルティング |
株式会社みや玄 | 川口市安行領家943-3 | 建築業(建築金物、塗装、内装一式) |
株式会社テンシールド | 草加市中央2-1-25 1F | EV事業、塗装業、鍼灸院 |
株式会社3S | 草加市新里町1486-11 | 企業向けコンサルディング、アプリケーション開発 |
マテックス株式会社 | 東京都豊島区上池袋2-14-11 (草加営業所:草加市稲荷6-12-16) |
ガラス・サッシ等住宅建材卸売 |
つなぐば家守舎株式会社 | 草加市八幡町935-4 | シェアアトリエ運営、家守業 |
第1回(令和5年7月26日実施)@草加市文化会館
いよいよ始まった企業版リノベーションスクール。市内外から13の様々な業種の企業が一堂に会しました。
プログラムは、リノベーションまちづくりの概要及び企業版リノベーションスクールの概要の説明からスタート。なぜ草加市では企業版リノベーションスクールを推進することになったのか、また、リノベーションまちづくりが目指す「そうかの未来」について、お伝えさせていただきました。
その後は、参加企業による各社のプレゼンテーションとブレインストーミングを実施。車座になって、「どのような事業を行っているのか」「なぜ企業版リノベーションスクールに参加したのか」「何を実現したいのか」について、それぞれの企業がプレゼンテーションを行い、発表内容をもとに全体で話を膨らませていきました。
初めましての企業同士もいた初回。普段の仕事ではなかなか知り合うことのできない業種の企業とつながることができたり、どの企業の参加者もたくさんの刺激を受けた様子。プログラム終了後には、名刺交換をしながら話に花を咲かせる様子が見られました。
第2回(令和5年8月23日実施)@市内各所
第2回目は、まちめぐりブレストを実施。初回のプレゼンテーションの中で挙げられた、市内の活用可能な場所や活用してみたい場所で、どのようなことができそうかを実際に場所を巡りながら参加者同士で話し合いました。まち巡りは、実現可能なプロジェクトやビジネスを考えるきっかけになった他、道中は参加者同士で交流を深められたことで、その後の企業同士の連携がたくさん生まれるきっかけにもなりました。
まち巡り後、初回と同様に車座になって、まちを巡った感想や意見を出し合い、その後は軽い懇親会を実施。企業同士の交流が盛んに行われたのと、「こんなことができたらいいな」という想像が膨らむ1日となりました。
第3回(令和5年9月22日実施)@氷川コミュニティセンター
第3回目は、具体的に実現したいプロジェクトやビジネスの事業計画をプレゼンテーションする回となりました。
プレゼンテーションの前には、参加者であり、そうかリノベーションまちづくりに深く関わっている「つなぐば家守舎株式会社」の小嶋直さんによるレクチャーを実施。実際に地域に密着して「暮らしづくり」のビジネスを展開する小嶋さんの話は、これから地域貢献につながるプロジェクトやビジネスを目指す参加者にとって、指針となるような話でした。
また、レクチャー後は「お節介仲人タイム」と称して、各テーマごとに分かれてグループディスカッションを実施。「新たなライフスタイルのプロデュース」「技術体験」「公園のような場の創出」の3つをテーマに、業種関係なくグループに分かれて、ディスカッションを行い、各テーマをもとに「草加のまちにこんなモノや光景があったら面白いよね!」と妄想を深めていただきました。
事業計画のプレゼンテーションでは、実際に事業化を目指すために「どのような体制で進めていくのか」「事業収支はどのようにするのか」「実現にあたっての課題は何か」「実現に向けたファーストアクションとして何を実施するのか」を発表いただきました。
第4回(令和5年10月18日実施)@草加市役所本庁舎
第4回目は、「断熱・省エネ・脱炭素」をテーマに実施。レクチャーとして「株式会社エネルギーまちづくり社」の竹内昌義さんにご登壇いただき、「ゼロカーボン戦略は最大の成長戦略」というタイトルでご講演いただきました。
今回のプログラムでは、参加企業だけでなく、山川市長や庁内の断熱に関係する各部署の職員にも参加いただき、民間と行政が一緒になって「草加における断熱・省エネ・脱炭素」を考えていきました。竹内さんによるファシリテートがありながら、車座になって断熱に関するディスカッションを行いました。
参加者による事業計画のプレゼンテーションでも、竹内さんから断熱を絡めたフィードバックをしていただきました。業種関係なく、「断熱」という共通テーマをもとに、様々な議論が交わされ、より事業計画に深みが増した回となりました。
第5回(令和5年11月21日実施)@氷川コミュニティセンター
第5回目は、6回目のプログラムである「公開プレゼンテーション」に向けて、事業計画のさらなるブラッシュアップを図る回となりました。
公開プレゼンテーションの本番同様、限られた時間の中で、自社紹介、実現させたいこと、どうやって実現に持っていくのかを発表していただきながら、講師である清水さん含めて、全体でフィードバックしながらブラッシュアップをしていきました。
第6回(令和6年1月11日実施)@高砂コミュニティセンター
最終回となる第6回。公開プレゼンテーションです。
会場内には、ポスターセッションとして、プロジェクトやビジネスを伝えるためのポスターやチラシが掲載されたり、サンプリングや既に制作した商品が並べられたり、各社の創意工夫で様々な仕掛けが施されました。
公開プレゼンテーションには、山川市長にもお越しいただき、全参加企業の発表を聞いていただきました。
各社の発表内容の概要は下記のとおりです。公開プレゼンテーションの様子はYouTube上でアーカイブをご視聴いただけます。本ページの最後にリンクを掲載しておりますので、是非ご視聴ください。
各社のプレゼン内容(発表順)
株式会社3S
企業向けのコンサルティング業務やアプリケーション開発、BPO業務を行っている「株式会社3S」。
「新里町からIT国際資格取得者数No.1」を目指す事業を展開。自社として培ってきたITノウハウを活かして、新里町に事務所を構える3Sがハブとなり、地域や法人のIT未経験者・未就職者を対象に、IT国際資格取得の育成環境を整え、新里町からIT国際資格者を輩出していくことを目指します。
合同会社そうか家守舎
市内で音楽教室、飲食店、学習塾を展開する「合同会社そうか家守舎」。
新規事業として「結婚するなら草加」をキーワードに、地域密着型の結婚相談所「結ラボ」を開所しました。
草加市に住む方や働く方を対象に、成婚の定義を「婚約」とし、地域の飲食店やイベントを巻き込んでいきながら、婚活のアドバイスだけでなくプロポーズやご両親への挨拶までをサポートします。また、さらなる展開として婚活マッチングだけに留まらず、住環境の提供や子育て支援など、イベントの多い草加のまちで、より豊かな暮らしを送ることができるようサポートします。
有限会社高橋園芸センター
「未来をつくる土と緑を育む」をミッションに造園業を営む「有限会社高橋園芸センター」。
廃棄材のアップサイクル事業、枝木の一輪挿し製品開発及び枝木のサブスクリプション事業を提案。
これらの新規事業と「造園芸」を通じて、人と人との「縁」、にぎわいとしての「宴」、思いやりとしての「援」、そしてめぐり逢いとしての「円」を草加のまちで実現することを目指します。発表では、ともに未来を育む仲間の募集を呼び掛けました。
株式会社一福本店
お米にこだわる、市内に広く展開する草加せんべいのお店「まるそう一福」の「株式会社一福本店」。
自社事業を活用し、自社のこだわりである「お米」をテーマに、草加せんべいのイベント事業を提案。
製造過程で大量発生する「ワレせん(=割れたせんべい)」を活用し、本店のある敷地で、市内の飲食店の商品とワレせんをコラボさせたイベントを開催し、ワレせん大量発生問題を解決しながら、こだわりである埼玉県産のお米を使用した自社の草加せんべいのPRを目指します。
有限会社スズキ
溶接板金加工業を営む「有限会社スズキ」。
新規事業として「溶接体験講習会」を実施。「まちの溶接屋さん」として地域に密着し、お客さんの「大事にしていた金物の破損を自分で直したい」や「車やバイクを改造してみたい」「DIYをやってみたい」というニーズに応えるべく、自社の工場を開き、溶接歴30年以上のプロが丁寧に教える体験講習会を実施することで、溶接を身近なものとして捉えてもらうことを目指します。
マテックス株式会社
「窓から日本を変えていく」を掲げるガラス卸販売の「マテックス株式会社」。
公民連携プロジェクトとして「草加の窓辺から日本を変えていく」ことを提案。
学校、福祉施設、飲食店、マンションなど、草加市内の窓をすべてエコ窓にし、「ゼロカーボンシティ共同宣言」を掲げる草加市のCO2排出量を削減していくことを目指します。実施にあたっては、市民・市内企業・行政と連携・協働・共感を得ていきながら進めていきます。
株式会社高中板金工業
建築板金業や銅板工芸品制作、遮熱事業を手掛ける「株式会社高中板金工業」。
草加で地球に優しい遮熱工事を広めるため、草加市内の建物を遮熱シートで快適にすることを提案。
遮熱材「リフレクティックス」を用いて、市内の公共施設、一般住宅、工場・倉庫、事務所・店舗を対象に、屋根・外壁・床の内側に遮熱施工をしていくことを発表されました。プログラム中に遮熱施工管理士免許も取得し、今後もホームページを活用して告知を図っていきながら、市内での遮熱施工を広げていきます。
株式会社テンシールド×株式会社みや玄
EV事業や塗装業、鍼灸院など幅広い事業を手掛ける「株式会社テンシールド」と建築業を営む「株式会社みや玄」。
2社が連携して、草加市の未来を考えるために、防災の意識を高めるイベント企画を提案。
市内の学校や公共施設などに、太陽光を活用した再生可能エネルギーによる蓄電池システム「天の岩戸」を導入し、平時は電気代の節約に充て、災害時は市民の命を守るために活用します。また、市内の企業や行政も絡めた防災イベント(マルシェ)を実施。市民の防災意識の向上を目指します。
株式会社千葉工務店
「自然回帰の家」をテーマに、自然素材を使った木造住宅の新築及びリフォームを手掛ける「株式会社千葉工務店」。
発表では「職場改善プログラム」として、生活の多くの時間を占める職場環境の見直しを提案。職場環境を快適にすることで、効率の良い仕事を行い、売上や利益の向上を目指します。
具体的な内容としては、「温湿度チェック」と「電磁波チェック」を提案。それぞれの計測結果をもとに、千葉工務店が空間の木質化、自然素材を使った空間化やペレットストーブの提案をします。
ノエビア埼玉東販売株式会社 サロンドール
「輝く笑顔が集う場所」として、エステサロンを営む「ノエビア埼玉東販売株式会社 サロンドール」。
発表では、イベントを通じて地域で人のつながりを育むマルシェの開催を提案。サロンの目と鼻の先にある「氷川町上田公園」を舞台に、老若男女問わず様々なバックグラウンドの人がつながり、居場所となれるようなマルシェを目指します。具体的なスケジュールも提案し、2024年4月の開催を目指し、取組みを進めています。
TDS株式会社×株式会社一福本店×つなぐば家守舎株式会社
「株式会社一福本店」の持つ本店の敷地を活用する、「(仮称)草加まるそうパーク構想」を提案。
さいたま市岩槻で「第2回リノベーションスクール@岩槻」から誕生したベーグル店「MIYATAYA BAGEL」を運営する「TDS株式会社」と八幡町で「第1回リノベーションスクール@そうか」から誕生した子連れで働けるシェアアトリエ「シェアアトリエつなぐば」を運営する「つなぐば家守舎株式会社」が連携し、敷地内にある遊休不動産やスペースを活用した、新たなコンテンツの創出を発表しました。
つなぐば家守舎株式会社
「DIO(=ほしい暮らしは私たちでつくる)」をテーマに、八幡町で「暮らしづくり」を手掛ける「つなぐば家守舎株式会社」。
発表では、市内の企業と連携した断熱ワークショップの開催を提案。断熱ワークショップを通じて断熱の効果を実感してもらうことで、断熱の普及啓発を目指します。
断熱のワークショップの舞台は、4月以降にオープン予定の氷川町にある東武鉄道株式会社の旧社宅。この場所で住んでいる人とナリワイをする人が繋がる場をつくっていく第一歩として実施します。
公開プレゼンテーションの様子(YouTube)
公開プレゼンテーションでの各社の発表は、下記のリンクよりYouTube上でご視聴いただけます。
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