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草加市 SOKA CITY

茶屋通り

更新日:2011年5月25日

広報そうか 第383号 昭和57年5月5日号

街道にあふれた客引きの声

茶屋通り

(25)茶屋通り(旭町)

昔も今も、交通の便が良い場所には人が集まり、またこの集まって来る人を目当てに様々な商売の家ができ、次第に商店街の形ができあがっていきます。

江戸時代のころ、松並木が終わるあたりから越谷市の蒲生までの日光街道沿いは、茶屋通りといわれ、たいそうにぎわっていました。通りの近くには、江戸からの品物が運送されたり、年貢米の積出しなどが行われていた藤助河岸もあり、旅人だけでなく、船頭もたくさん見受けられました。

この茶屋通りは、草加側を出茶屋と、蒲生側を下茶屋とも呼ばれていました。そして、その名が示すように、時代劇などによく出てくる茶店があり、旅人を酒や食事などでもてなしていました。

旅人や船頭でにぎわっていたとはいっても、茶屋の数も多く客引きはたいへんでした。現在でも、観光地などで旅館の旗を持った一団から声を掛けられるように、当時も、軒を接した茶屋から若い女性が声をからし、品をつくっては旅人を奪いあっていました。

旅人はといえば、江戸から日光にでも見物に行こうなどというのんきな者は、朝から歩きづめで足も痛く、腹もすくころ。また、昼なお薄暗い松並木を過ぎて急に若い茶屋女に声を掛けられ、なんだか狐にでもだまされているような気分。ついつい店に入り込み、杯を重ねてしまいます。「昼間の酒はよく回るな。ところで、ずいぶんと歩いて来たんだが日光はまだ先かい、ねえさん」「何言っているんだい、まだ江戸から一歩のところだね。のんびりしていると日が暮れるよ」……

軽い冗談を言い合いながらまだしばらく杯を重ねていましたが、やがて酔いが回ったらしく、のんきな旅人は「どうも日光は遠いようだ。江戸に戻ろう」と、ふらふらしながらもと来た道を引き返していきました。

昔の旅は、水杯を交わすほどの決意でしたもの。日光や東北地方に旅立つ人にとり、また帰って来る人にとっても、茶屋通りは、草加、越谷、千住の先よ、と言われるように地方の一歩目であるとともに、あとひと息で江戸だという安心感の生まれるところでした。

また、茶屋通りには、焼きつぎ屋(こわれた茶わんをイオウを使い焼き継いだ店)、からす屋(もみを玄米にする唐臼を作る店)、立場(参勤交代の大名の道中人足を整えたり、旅人を泊めたりした)などという、現在では名称を聞いてもわからない店や商売屋が立ち並んでいました。

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