更新日:2011年5月25日
平成18年12月5日号掲載
甚左衛門堰は、伝右川と綾瀬川を結ぶ堰(せき)として造られたもので、洪水のとき、綾瀬川から伝右川へ逆流する水が、田畑をおかすのを防ぐ目的で設けられました。造られた当時は木造でしたが、明治27年(1894年)にレンガ造りに改築され、昭和58年(1983年)に神明排水機場が完成するまで90年間働き続けました。
この写真は昭和52年の春先に撮った甚左衛門堰の写真です。
草加宿東裏を流れている伝右川の両岸には甚左衛門という人が所有していた農地が広くあり、専業農家を始め宿住まいの商・職人が兼業農家として借り受けていました。その農地の水量を調整する堰で、枠番と称して農家たちが交替で水位の調整をしていました。
この付近には目立つものがなく、伝右川の川さらいや綾瀬川の堤防の草刈り等のときには、「甚左衛門、何月何日何時集合」と村共同体の作業の集合場所ともなっていました。
農閑期と農繁期では流量も異なり、魚などの餌を求めてやって来る野鳥も大小さまざまな姿を見ることができました。
(写真提供・文:石井俊三さん)
甚左衛門堰は、県内でも貴重なレンガ造りの水門で、保存状況もきわめてよいなどの理由から、平成11年、埼玉県指定文化財に指定されました。
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