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草加市 SOKA CITY

うなぎ塚

更新日:2011年3月31日

広報そうか 第380号 昭和57年3月20日号

夢まくらに現れた妙薬

うなぎ塚のイラスト

(22)うなぎ塚(遊馬町)

都県境の毛長川流域には塚の地名が多く、塚にまつわる話がたくさん残っています。

その昔、舎人(とねり)領であった遊馬村一帯は、毛長川の流れにそって大小多数の沼が点在し、低地帯ののどかな田園が一面に広がっていました。

その村に、とても働き者で親孝行な若者がおり、毎日朝早くから夜おそくまでよく働いたため、近所からうらやましがられ、親にとっては自慢の一人息子でした。

ところが、その若者がある日突然倒れ、病の床に伏せってしまいました。長い間の過労がたたったのか、それとも悪い病気にかかったのか、医者の手厚い看護にもかかわらず一向に良くなる気配がありません。それどころか若者は、日一日と衰弱し、医者もついに回復をあきらめるほどになってしまったのです。

親たちは嘆き悲しみ、沈痛な毎日を送りました。

そんなある日、父親の夢まくらにうなぎが現れ、「若者の命を救えるのは私しかいない」と告げ、消えてしまいました。

翌朝、目をさました父親はわらにもすがる思いで毛長川からうなぎをとり、若者に食べさせました。するとどうでしょう、どんな薬も効かなかった若者の病が、少しずつ快方に向かい始めたのです。

喜んだ父親は毎日毎日、毛長川でうなぎをとり、それを若者に食べさせました。そして若者はしだいに元気となり、ほどなく働きにも出られるようになりました。

親たちの喜びはひとしおでした。しかし、息子の命を救ってくれたうなぎに何と感謝したらよいのかそのすべを知りません。
そこで村の古老に相談したところ、塚をつくり、うなぎを奉った神社を建てて供養したらよいといわれ、その日から父親は自分の田の土を盛り、塚をつくる毎日が続きました。

それをみていた村人たちは、初めは何をしているのだろうかと不思議がっていましたが、古老からわけを聞くと、大ぜいの村人が手を貸してくれたため、りっぱな塚ができあがりました。その上に父親はうなぎを奉った神社を建て、うなぎの霊をなぐさめたのです。

それからというもの村人たちは、うなぎを食べた後は必ずこの神社に詣でたため、だれ言うとなくこの塚をうなぎ塚とよぶようになったということです。

現在この塚があったあたりには住宅が建ち並び、昔の出来事を知るよしもありません。

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