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草加市 SOKA CITY

夜泣き地蔵

更新日:2011年3月31日

広報そうか 第378号 昭和57年2月20日号

ピタリと止んだ子供の夜泣き

夜泣き地蔵イラスト

(20)夜泣き地蔵(八幡町)

幼な子は、いつの世でもかわいいものです。しかし、「泣く子と地頭には勝てぬ」という諺(ことわざ)があるように、公衆の面前で子供に泣かれて、なだめてもすかしても全然泣きやまない時は、親の方も泣きたくなってしまいます。

昔々、綾瀬川の近くに人の良い夫婦が住んでいました。この二人は働き者で親切だということで、近所の人から慕われていました。しかし、残念なことに長い間、子宝に恵まれませんでしたが、ようやくこの夫婦の間に元気な男の子が生まれました。二人は半ばあきらめていただけに喜びはひとしおで、近所の人々にも、「よかったね」、「丈夫な子になるといいね」、「働き者で、人のいいあんたたちを神様がお見逃しになるはずはないじゃないか」などと口々に祝福してくれました。夫婦にとって幸せな日々が続きました。

しかし、この赤ん坊はいささか元気が良すぎるのです。昼となく夜となく大声で泣くのです。昼はともかくとして、夜も激しく泣くのでたまりません。「よしよし何が欲しいんだい」などと言いながらあやしても赤ん坊には親の言葉が、親は赤ん坊の泣き声がわかるはずがありません。二人は、夜もろくに眠れないばかりでなく、口にこそ出さないものの近所の人たちも迷惑がっているだろうと思うと気の休まるひまがありません。思い悩んで親子三人、何度も心中しようと思いましたが、そう思う時には不思議と子供は静かに寝ていて、その寝顔を見るとつい二の足を踏んでしまうのです。

ある日、母親が子供を背負って物思いにふけりながら道を歩いていると、道ばたにお地蔵様があるのに気づきました。母親は思わずそのお地蔵様に向かって、「お願いでございます。他に何も望みませんが、この子の夜泣きだけは何とか止めることはできないものでしょうか」と一心に祈りました。すると不思議なことにその後、あれほどひどかった夜泣きがピタリと止まり、昼間もほとんど泣かなくなりました。それで悩みの消えたこの子の父は前まで以上に仕事に励むことができ、おかげで幸せな日々を送ることができたとのことでした。

このうわさは近所の人の話題となり、あっという間にひろまり、同じような悩みをもつ親が大ぜい訪れたという話です。今でも「子供の夜泣きが治りますように、丈夫な子になりますように」と願う母親が時おり、訪れるそうです。

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