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草加市 SOKA CITY

みそか市

更新日:2011年3月31日

広報そうか 第374号 昭和56年12月5日号

正月準備で大にぎわい

みそか市

(17)みそか市

(住吉)古くから宿場町として栄えた草加には、多くの人が行き交い、さまざまな物資や農産物の流通がありました。

その中で、商店が少なかった昔は、市(いち)が市民生活の中で大きな役割りを果たしました。

草加の市は五・十(ごとう)の市と言われ、五と十のつく日、つまり五日、十日、十五日、二十日、二十五日、三十日と月に六回開かれ、草加はもとより、付近の町からも大ぜいの人が集まりました。

その中でもとくににぎやかだったのが、現在の住吉を中心に、年の瀬に開かれた、「みそか市」といわれた市でした。

この市では、松飾りや柳ばし、大黒じめといった新年を迎えるために必要な雑貨や、いろいろな食料品が所狭しと街道一ぱいに並び、なかでも草加名産の山東菜やネギは店先に山のように積まれ、遠くから買いにきた人たちに飛ぶように売れました。

そのため、市に通じる道路は買い物をする人や、市に出す雑貨や野菜を運ぶ荷車で混雑し、“葛西道”や“岩槻道”などと、遠くからくる人が通る道には名称がついたほどでした。

また、この市は子供たちにとっては待ちに待った楽しみでもありました。というのは、正月を前に男の子は奴凧(やっこだこ)を、女の子は飾りのついた羽子板などを買ってもらい、お正月にこれらで遊ぶことを指折り数えて待っていたからです。

そのため親たちは、子供から買い物をねだられると、「がまんすれば、みそか市で大きな奴凧を買ってあげるよ」などといって子供をなだめたそうです。

一方、農家の人たちはこの市に農産物を出荷すると一年の農作物がほぼ終わり、あとは農機具の手入れやすす払いをして、正月を迎える準備にとりかかりました。

そして、農家の娘さんたちは、手があいたこの時期に町へ針仕事を習いに行くため、裁縫道具の包みを手に、「カランカラン」という駒下駄の音を響かせながら町へ向かう姿は、通りの人たちに正月が近いことを告げる、歳末の風物詩でもありました。

最盛期には、草加の町の大通りには数えきれないほどの市がたち、商人と買い手のやりとりや荷車の往来で、町会体が市を中心として活気を帯び、大変なにぎわいだったといわれています。

しかし、このように栄えたみそか市も、戦争のぼっ発や生活様式の変化により、昭和の初期を境にしだいに活気を失い、ついにその長い歴史を閉じました。

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