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草加市役所

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獨協大生現場レポート5:リノベーションまちづくり

更新日:2019年1月31日

1.はじめに

草加の住宅街を歩いていると、築30年は過ぎているであろう文化住宅が、ちらほらと見える。その中には、より安くて新築の賃貸アパートへ次々と引っ越してしまったのだろうか、入居者がまばらになっているところもある―。

そこで考えた。この建物って、いずれどうなるんだろう?入居者が退去をし、あるいは大家がその運営を辞めてしまったら、取り壊してしまうのだろうか?そんな疑問から、私たちは草加市が行うある事業に注目したのだった。

2.事業の概要

市に点在している空き家や空き店舗。そこに目を向けたのが「そうかリノベーションまちづくり」だ。この事業は、民間のまちづくり会社が先導して、使われていない家屋や店舗を修復して付加価値を付け、“新たなまちのコンテンツ”を生み出し、まちを活性化させていこうというものである。

市はその手助けをすべく、「リノベーションスクール@そうか」(以下、「リノベーションスクール」)と題したワークショップを平成28年度から年に1回開催しており、これによってこれまでに6件の事業が産声を上げた。その事業の中で、私たちは今回、「シェアアトリエ つなぐば(運営:つなぐば家守舎 株式会社)」を訪問し、そこで働く方から様々なお話をうかがった。

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3.視察

「シェアアトリエ つなぐば」(以下、「つなぐば」)は、東武スカイツリーライン新田駅から歩いて15分程のところにある。着くや否や、一同その建物の造りに驚かされた。建物の1階部分はリノベーションが施されているのだが、なんと、2階部分は当時の面影を残したままなのだった。

これに関して、「つなぐば」の代表取締役である小嶋直さんにうかがってみたところ、2階はこれからリノベーションする予定ではあるけれど、今の(2階がそのままの)状態も意外と面白いのではないかと話す。なるほど、リノベーションされているところとそのままの場所が視覚的にわかるというわけだ。

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とはいえ、2階部分は、モデルルームとして既に1つは完成していた。その中にお邪魔をしてみると、両側の壁はクリーム色の漆喰で新しく塗られ、奥の壁は様々な濃淡の木板が打ち付けられ、当時とは見違える様にモダンな造りに変貌を遂げていた。天井に目を移すと、天井にはめ込まれた透かし彫りの板から、何やら紙のようなものが見えた。これは、廃新聞紙を利用した断熱材で、小嶋さんの仕事の付き合いからメーカーの方から協賛を得て実現したという。

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さらに、漆喰を塗る作業や、廃木材を天井や壁に打ち付ける作業。これらを工務店だけに任せっきりにするのではなく、自分たちでも積極的に行った。しかもそれらの作業は、女性や子どもたちが率先して行ったのだという。

小嶋さんは、「自分のことは自分でやる」というDIY(Do It Yourself)よりも、「みんなでやろう」というDIO(Do It Ourselves)の考え方の方が大切だと述べる。上手い人だけに作業を任せれば、確かに良いものはできるが、たとえ作業が上手くなくても、みんなでやることで手伝った人たちの“団結感”や“達成感”を生み出せるということなのである。それが結果として、人と人とを繋げ、「つなぐば」をより愛着深いものにしていく工夫にもなっているのだ。

そうした繋がりは「つなぐば」内の人同士にとどまらない。「つなぐば」の目の前には公園があって、毎日たくさんの人たちがやって来る。確かにここは、駅から離れた住宅街の奥まった場所にあるものの、視察当日もたくさんの人が「つなぐば」の1階にあるカフェを訪れていた。

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その客層は小さな子連れの女性がその大半を占める。口コミで広まった「ママ友」の繋がり。カフェの中央には子どもを遊ばせることができるタタミスペース、さらに奥には授乳室があり、母子ともに安心できる憩いの場になっているような印象であった。 

また、「つなぐば」で働く人も大半が女性である。草加市には小物などの創作をしている女性が多く、そういう方が創作や販売ができるスペースもあり、みんなで子どもを見守りながら働ける環境が備わっている。

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小嶋さんは、女性が輝いて生活できるまちを目指されていて、地域に溶け込んでいる女性が活躍すれば、地域の賑わいが生まれるとのこと。子どもがいても働きやすい仕事場を作ることは、最終的には男性にとってもたくさんのメリットがあると述べており、まさにそれを体現しようと尽力されている。

4.事業の今後について

このように現在進行形で発展を続けている「つなぐば」。やはり、この事業の実現は「リノベーションスクール」の存在が大きいと小嶋さんは述べる。この取り組みは、市が主体となってやってはいるが、あくまでも事業をやろうとする自分たちが主役。そのことによって、事業を必ずや成功させてやろうという使命感が芽生えたという。

さらに、「リノベーションスクール」を通じて事業を始めるメリットとして、“空き家”という不動産の流通以外のものを知ることができると述べていた。ただ、リノベーションスクールの受講生は、住む場所も年齢も違う、初めて会った人ばかりであったため、ある程度のもめごとはあったという。だが、その中で最終的に関わっていける人を見つけられれば、しっかりと事業を実現することができるものであると述べていた。

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小嶋さんは、最終的に「つなぐば」を店と公園の中間的な役割なものにすることを目標にしている。現在はカフェを中心に運営を行っているが、これからはその枠にはまらず、ワークショップや、地域と関わるようなイベントを今まで以上に充実させていくそうだ。

私たちもその後に続くべく、今後「つなぐば」と何らかのコラボレーションを行い、今度は「大学」と「つなぐば」が繋がったらより面白くなるのではないかと思っている。
 
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獨協大学法学部大谷ゼミ5班  郡司遥加、橋本理沙、三浦智文、金子瑞希、立原優喜子、丸島愛海

編集後記

・今回の取り組みで、今まで知らなかった草加市の新しい魅力を発見することができて嬉しかったです!(郡司)
・今まで知らなかった草加の良さを実感できて、さらに草加が好きになりました!(橋本)
・市の政策が良い形で実現できていること、そして何よりも「つなぐば」の方の熱意が伝わるレポートにできたと思います!(三浦)
・事業に対する市と地元の方々の熱意を、肌で感じることができました!(金子)
・地元の良さをまた1つ知ることができたので、このような機会をいただけて良かったなと思います!(立原)
・普段関わることの少ない産業振興課の方に実際にお話を伺うことができ、皆様の草加への愛と熱さを実感しました!(丸島)

   

このページに関する問い合わせ先

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住所:〒340-8550 草加市高砂1丁目1番1号
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