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草加市役所

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獨協大生現場レポート2:防災

更新日:2019年1月31日

1.はじめに

私達2班は2018年11月18日(日曜日)に、地域住民の皆さんが主体となって行っている避難所運営市民防災訓練を見学しました。避難所開設エリアは、自治会の区分などによって各ブロックに分けられており、今回は33ある避難所のうち、訓練参加人数が最も多かった稲荷小学校にお邪魔しました。
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2.事業の概要

この避難所運営市民防災訓練は、町会・自治会のほか、自主防災組織をはじめとした地域コミュニティが避難所運営組織を構成し、運営をしています。災害時は、行政も含めて全ての人が被災している状況にあるため、行政職員が発災直後に避難所へ駆けつけられずに混乱を招く事態が過去の災害でも見受けられました。そこで、行政に頼らずに地域の皆さんが主体となって避難所が運営できるよう訓練が行われていました。また、参加者の年代も幅広く、ベビーカーに乗った赤ちゃんや小・中学生などから、比較的若い地域住民の皆さんも参加されており、その防災意識の高さが目を引きました。

この避難所運営市民防災練は去年から始まったばかりですが、今年の市内一斉の訓練には総勢約8500人もの皆さんが参加されており、私たちは今年532名もの方が参加した稲荷小学校での訓練を、この組織を運営しているさまざまな班を中心に見学させていただきました。

3.視察

最初に、名簿班の訓練を見学しました。避難者の方々が自治会ごとに受付を済ませていたのですが、迅速に受付を済ませるために、先導者が各自治会の看板を持って列を整理していたり、声を掛け合っていたりして、誰がどこに並べば良いかが明確になっていました。このように、訓練でも実際に災害が起きた時と同様に行動している姿を見て、その団結力や積極的に活動する姿が非常に印象的でした。
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次に、救護班の見学と体験を行いました。実際に簡易担架がどのように組み立てられているかを見た後、怪我人役を乗せて担架搬送訓練を行いました。約30kgのお子さんから約70kgの男性まで搬送することができ、4人で持ち上げて搬送作業を行ったのですが、思ったよりも腕力だけでなく声の掛け合いや息を合わせることが重要であることを痛感しました。また、包帯の巻き方や添え木の差し方なども学ぶことができました。
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3番目に、食料・物資班のお話を伺いました。普段見ることのできない備蓄倉庫の中に入らせていただいたり、炊き出しの風景を拝見したりしました。炊き出しでは、アルファ化米を使用した五目ご飯とドライカレーや味噌汁をいただきました。アルファ化米はお湯で約15分、水で約40分で炊ける災害用のお米なのですが、実際に食べてみても災害用の食品とは思えないぐらい美味しかったです。今回炊き出しで使ったさまざまな釜や鍋、やかんなどの調理道具も、地元自治会のお祭りで使用されているもので、「日頃から自治会同士で協力してお祭りなどの企画を実行する機会があるからこそ、手際良く準備に入り作業をすることができている」と班長さんも話してくれました。
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4番目に、衛生班の見学と体験を行いました。衛生班では組立式トイレハウスを実際に設置し、中に入らせていただきました。しっかりと鍵をかけられるように設計されていたり、雨が降っても大丈夫なように防水性の高い物質で設計されていたりと、様々な工夫が凝らされていました。実際に組み立てることによって、その良さだけでなく防風性が弱いという改善点の発見にもつながり、今後対策を立てることが可能になるということを、訓練を通して学ぶことができました。
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このほか、体育館で段ボールベッドの組み立て方の説明の手伝いをしたり、実際に段ボールベッドに横になってみたりしました。

最後に、市内全ての避難所運営委員会を取りまとめている協議会の会長で、草加市町会連合会会長でもある佐々木勲さんから、避難所運営市民防災訓練が取り組まれるようになった経緯や今後の課題などについて貴重なお話を伺うことができました。
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4.まとめ

草加市の避難所運営市民防災練が実施されるようになった背景には、2011年3月11日に発生した、東日本大震災の存在がありました。東北地方だけでなく、関東地方の一部の地域にも被害をもたらした大震災を受けて、災害時に備え、地域住民が主体の訓練に励むようになったそうです。訓練の目的として、行動シミュレーションを通じた住民一人ひとりの防災意識の向上を掲げており、他の自治体の模範となる避難所運営の形を追求されていると感じました。

また、訓練参加者の年齢層においてシルバー世代が圧倒的な割合を占めている現状から、今後は若い世代との協力体制も強化していきたい、また、草加市は以前から水害に悩まされているため台風による暴風や集中豪雨での避難対策を行っていきたいとのことでした。

取材から、地域コミュニティが主体となって「自分たちの地域は自分たちで守る」という自助・共助の信条のもと、熱心な防災への取り組みが成されている熱い想いやその姿勢が肌身に感じることができた素晴らしい機会でした。
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獨協大学法学部大谷ゼミ2班 飯嶋詩織、木島夏美、早坂尚大、早乙女香里、田部井姫香、前田泰良、三輪海渡

編集後記

今年で二回目を迎えた避難所運営市民防災訓練ですが、今回見学した稲荷小学校の訓練では532人もの多くの方が参加されていたことに非常に驚きました。
名簿班、救護班、食料・物資班、衛生班の4つの班を見学させていただいたのですが、班の印象として、どの分野の訓練でも、市民の方々が積極的に取り組んでいるのが印象的でした。中でも特に名簿班と救護班の訓練が印象に残りました。避難所の方々が自治会ごとに迅速に受付を済ませるだけでなく、先導者の方が後の方々にどこに並べば良いか的確にわかりやすく指示を出しているのを見て、この訓練はシナリオに沿った訓練ではなく、実際に震災が起きた時と同じように訓練していると感じました。震災が起きた時に冷静で的確な指示出しや対応をするには、実際に震災が起きた際と同様に訓練することが、一人でも多くの人々の安全を確保することに通じると実感することができました。
今回、避難所運営市民防災訓練を見学して、訓練に参加している年齢層のうちシルバー世代が大きな割合を占めていると感じました。今後は、若い世代との協力体制を更に構築することで、今以上に素晴らしい避難所運営市民防災訓練につながるだけでなく、幅広い世代の防災意識の向上につなげられるのではないでしょうか。また、お話を聞かせていただく中で、笑顔でお話をしていただいた地域住民の方々に人としての温かみも実感することができました。
このような素晴らしい機会を提供してくださった草加市役所の皆様、地域住民の皆様に御礼申し上げます。誠にありがとうございました。

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